授乳期が終わって離乳食を食べ始めると気になるのが赤ちゃんの便秘。腸が未発達な乳児期には、まだ腸の蠕動運動も活発ではなく、毎日食べる量もまちまちなので、便の回数や量は一定ではありません。

このため、2~3日でなくても直ちに健康に悪影響はありませんが、ずっと出ない状態が続くとやはりお腹がパンパンになってしまうので、身体にはよくありません。

また、乳児期の便通がスムーズにいかないと成長した後に便意を感じにくくなるなど、幼児期にも影響を及ぼすリスクも指摘されています。

特に、赤ちゃんが空腹やおむつなど明確な理由がないときに頻繁に泣くようになったり、なんとなく表情が曇って苦しそうにしていたりするときには便秘でお腹が痛くなっている可能性が高いので、早急に対処してあげることが大切です。

どうしても便がでないときには最終手段として病院を受診して浣腸をかけてもらうこともできますが、当然ながら浣腸を使って便を強引に出そうとするとお腹が痛くなってしまうので、できれば浣腸に頼りたくないというのが親心でしょう。

無理なく乳児の便通を改善するには離乳食に便通をよくする食材を取り入れることです。その中でも近年赤ちゃんの便秘解消に効果的といわれているのが「りんご」です。

りんごにはアップルペクチンという成分が多く含まれています。

この成分はペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維の一種で、腸内環境を整える働きがあります。

ペクチンはジャムなどの加工食品に粘り気やとろみをつける添加物として用いられている成分で、水に溶けると水分を吸ってドロドロの状態になって胃や腸をゆっくりと通過していきます。

このため、腸内の老廃物を吸着して排出を促すデトックス作用がある成分としても知られており、食べ物から摂取することで便に適度な水分を取り込んで柔らかくする働きもあります。

乳児の便秘は、水分不足によって便が固くなっていたり、腸の運動が弱くて便をスムーズに押し出せなくなっていることが主な原因なので、ペクチンを離乳食でしっかりと摂取すれば便通を改善する効果が期待できるというわけです。

また、アップルペクチンは腸内の悪玉菌の増殖を抑制するとともに善玉菌の増殖を助ける働きがあります。乳児期の腸内環境は大人になってからの腸内環境に大きく影響するといわれているので、離乳食でアップルペクチンをしっかりと摂取することが非常に有効といえるのです。

さらに、りんごにはアップルペクチンの他にもポリフェノールやビタミンCも豊富に含まれています。ポリフェノールやビタミンCは抗酸化作用があり、免疫力を高める効果が期待できるので、まだ感染症への抵抗力の弱い乳児期の健康維持にも効果的なのです。

このように、赤ちゃんの便通を改善して便秘を解消するにはりんごを離乳食に取り入れるのが有効といえるわけですが、離乳食として与えるときにはどんな食べ方がよいのでしょうか。

離乳食を食べ始めたばかりの時期では果物は硬くてそのままでは食べられないので、すりおろして食べさせるのが基本となります。

アップルペクチンやポリフェノール、ビタミン類は皮に多く含まれているので皮ごと食べるのが理想ですが、この時期には皮は食べさせにくいので、皮をキレイに剥いて大きな繊維が残らないように目の細かいおろし金などで丁寧にすりおろします。このままでも食べさせることは可能ですが、まだ胃腸が発達途上のこの時期は生のままだと消化しにくいので、電子レンジで20~30秒程度加熱してから食べさせるとよいでしょう。

熱に強いアップルペクチンは加熱しても効果が失われないので、成長して固形のものを口にできるようになったら柔らかく煮て食べさせるのもお勧めです。

煮るときには皮を剥いて小さめの角切りにし、かぶるくらいの水と一緒に柔らかくなるまで鍋でコトコトと煮ます。10~20分程度煮れば柔らかくなるので、軽く冷ましてから食べさせます。

大人ならば砂糖などで味付けしたくなりますが、味を付けなくても果物から出る自然の甘み(果糖)があるので、余計な味付けをしなくても赤ちゃんは喜んで食べてくれます。ニンジンとの相性もよく、ニンジンにはβカロテンを初めとした栄養素も豊富なので、ニンジンも小さめの角切りにして一緒に柔らかく煮て食べさせるとより栄養バランスがよい離乳食になります。

また、便通を良くしたいときには乳酸菌がたっぷりなヨーグルトと一緒に食べさせるのも効果的です。すりおろしたりんごをヨーグルトの中に入れたり、煮てからヨーグルトをかけたりするなど工夫して食べさせましょう。

ただし、便通をよくするために離乳食として食べさせるときには果汁の与えすぎに注意が必要です。

果物の果汁には多くの糖分(果糖)が含まれており、これを乳児期に摂り過ぎると下痢を引き起こすリスクが指摘されているので、便秘気味でないときには果汁を軽く絞ってから与えるようにします。

また、りんごにアレルギーを持っている赤ちゃんも存在するので、まず少量食べさせてから半日程度待ち、唇の腫れや蕁麻疹などのアレルギー症状がでないか確認してから食べさせると安心です。